〜Warwickマニア〜第1回 2019年版Warwick全シリーズラインナップ解説 その1

2019年2月12日

Warwick、1982年にドイツ・バイエルン州から放たれた地を揺るがすその低音は今や世界中のベーシストから愛されてやまない存在だ。何を隠そう筆者もその魔力に取り憑かれた一人である。Warwickの歴史背景を含め語りたいことは尽きないのだが、筆者がWarwickベースを購入すべく調べていた頃、その情報量の少なさに手探りでの情報収集に苦労した記憶がある。「Warwickマニア」というこのシリーズを執筆していくにあたって第一に伝えるべきと考えたのが全モデルラインナップの解説であったのだ。

Warwickのラインナップ

2019年2月現在、Warwickのモデルシリーズとして

  • Rock Bass
  • German Team Built
  • Custom Shop Basic
  • Custom Shop Master Built

の異なるこの4種類が存在する。モデル名やデザインが同じであるために見分けがつきにくいが、仕様も値段も大きく異なるものとなっている。

初回はその中でもエントリーユーザーにも手が届きやすいWarwick入門モデル、Rock Bassシリーズをピックアップしてお伝えしていこうと思う。

Rock Bassシリーズとは?

Rock Bassシリーズとは、本家ドイツ製モデルのルックスやサウンドを継承しつつ、生産を中国にて行い、構成やデザインをシンプルな仕様とすることでWarwickベースを手の届きやすい価格へ据え置いた入門シリーズである。

入門シリーズと聞くと劣化版というイメージを持ってしまうかもしれないが、高さ調整が可能なナット「Just-A-Nut」やセパレートブリッジ、そしてウェンジ指板などWarwick独自のアイディアは引き継がれており、Warwickらしいサウンドを存分に楽しむことができる。

調べてみると、モデルチェンジの為に一度日本への流通をストップする模様で、今後大きくラインナップが変更される可能性が大きいので今後の続報に注目してもらいたい。現時点でラインナップとしては、

  • Streamer LX
  • Streamer NT1
  • Corvette Basic
  • Corvette $$

の主にこの4機種である。StreamerにCorvette と人気の高いモデルが並んでいるが、ここからはこの4機を詳しく紐解いていく。

Streamer LX

Warwickといえばこの形を想像する方も多いだろう。
©︎Warwick

人間工学に基づいボディデザインによる優れたプレイアビリティでWarwickの数あるモデルの中でも1番人気と言っても過言ではないStreamer(ストリーマー)、当機はそのボルトオンモデルであるLXが元になっている。

ボディ材はカロレナと呼ばれるポプラ材の一種で、ネックはメイプル、ウェンジ指板を採用。4弦モデルと5弦モデルがラインナップされており、ピックアップ構成は4弦がPJレイアウト、5弦がJJレイアウトでBass/Trebleの2バンドEQを搭載している。

レギュラーモデル(Custom Shop Basic)からの変更点としては

  • ボディ材の変更(フレイムメイプル→カロレナ)
  • ネック材の変更(ウェンジ→メイプル)
  • ボディ形状の変更(カーブドボディ→フラットボディ
  • ピックアップ(アクティブPU→パッシブPU)
  • 4弦モデル(PJ)ならば、ピックアップレイアウトがフロントがリバースPレイアウトではない
  • Just-A-Nutの材質が異なる(ブラス→グラファイト)
  • フレットの材質が異なる(ブロンズ→ニッケルシルバー)

等が挙げられる。ボルトオンネックによる明瞭なアタック感のあるサウンドからロック系ベーシストにもおすすめなモデルだ。

市場相場 4万5千円〜7万円

Streamer NT1

ストライプ模様の入ったスルーネックボディは
Stage1を彷彿させる。
©︎Warwick

こちらは同じくStreamerであるが、スルーネック仕様となっている。(NTはネック・スルーの略)

Streamerと言えばstage1やstage2のようなスルーネックモデルが有名であり、当機はそのようなモデルを意識していることは間違いない。LXと同じく4弦(PJ)と5弦(JJ)がラインナップされており、ピックアップ構成はレギュラーモデルと同じアクティブPUを採用しているなど、より完成度の高いモデルである。

ボディ材はアルダー、ネックはメイプル3P、指板はウェンジを採用、LXと同じくBass/Trebleの2バンドEQを搭載。

レギュラーモデルのStreamer stage1(Custom Shop Basic)からの変更点としては

  • ボディ材の変更(フレイムメイプル→アルダー)
  • ネック材の変更(ウェンジ→メイプル)
  • ボディ形状の変更(ボディトップ・バックがフラット)
  • EQセクションの変更(Bass/Mid/Treble 3バンドEQ→Bass/Treble 2バンドEQ)
  • Just-A-Nutの材質が異なる(ブラス→グラファイト)
  • フレットの材質が異なる(ブロンズ→ニッケルシルバー)

等が挙げられる。上位モデルに引けを取らない構成とスルーネックによる豊かなサスティーンは、ジャンルを問わずに活躍することができるはずだ。

市場相場 7万5千円〜10万円

Corvette Basic

トラディショナルなベースの
ボディシェイプに近いサイズのCorvette。
©︎Warwick

長く伸びたホーンが特徴的で、そのボディバランスの良さから今やStreamerを抜かす勢いのCorvette(コルベット)。豊かな低音とストレートな抜けの良さを持ち合わせおり、特に海外からの人気が高いモデルだ。

こちらも同じく4弦、5弦が存在し、どちらもピックアップはアクティブJJピックアップが搭載されており、タイトかつ音抜けの良いサウンドを得られるだろう。

ボディ材はアルダー、ネック材はメイプル、ウェンジ指板を採用。上記の2種と同様にBass/Trebleの2バンドEQを搭載している。

こちらのモデルはレギュラーモデルが廃盤となったことから、次回のモデルチェンジからは恐らく採用されないと考察される。その為、当機に限りレギュラーモデルとの比較は避けさせて頂く。

ボルトオンネックとJJレイアウトの組み合わせはどんな音楽性にも非常に馴染みやすく、是非このモデルで貴方のオリジナリティを構築してもらいたい。

市場相場 5万円〜7万円

Corvette $$

MMタイプPUが2機並ぶインパクトのあるスタイルだ。
©︎Warwick

コルベットと聞いて浮かぶのが$$(ダブルバック)と呼ばれるこのモデルだという方も少なくはないだろう。コイルタップも可能なMMタイプのハムバッカーPUを2基搭載しており、見た目通りのパワフルなサウンドを響かせてくれるだろう。前者の3種と同じく4弦、5弦モデルが存在する。

ボディ材にはメリハリの効いたアッシュを、ネック材はメイプル、こちらもウェンジ指板を採用している。Warwickでは少々珍しいパッシブモデル。

レギュラーモデル(Custom Shop Basic)からの変更点としては

  • ボディ材の変更(フレイムメイプルトップ+アッシュバック→アッシュ)
  • ネック材の変更(ウェンジ→メイプル)
  • Just-A-Nutの材質が異なる(ブラス→グラファイト)
  • エレクトロニクスの変更(Bass/Treble 2バンドEQ→パッシブ2Vol 1Tone)
  • フレットの材質が異なる(ブロンズ→ニッケルシルバー)

パワフルかつ音抜けのよいサウンドとコイルタップ機能による幅広いサウンドメイクが魅力の当機は、即戦力になること間違い無しだろう。

市場相場 6万5千円〜8万円

まとめ

いかがだっただろうか。Warwickの入門用シリーズとして設けられているとはいえど、決して廉価盤とは呼べない拘りと仕様で作られていることがわかっていただけただろう。

また、前述したようにモデルチェンジの為に一度流通が終了するので、現行モデルの購入を考えている方はお早めに検討することをお勧めしたい。モデルチェンジの際にはどのような機種・仕様が新たに登場するのか、Rock Bassは今後の動向が最も注目されるシリーズだ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。今回から始まったWarwickマニアですが、第2回の次回は市場での注目度が高いGerman Team Builtシリーズのラインナップ解説を引き継ぎ執筆する予定です。次回もどうぞWarwickマニアを宜しくお願いしますm(_ _)m

ベース

Posted by goro